円地文子 / Luke Slater

「日記というものは嘘を書くものね。私なんぞ気分次第でお天気まで変えて書きます。」と円地文子は言ったのだそうです。「女坂」の、江藤淳の解説からの引用です。しかし「嘘」と言っても、「気分によって天気を変える」とは、自分の気持ちを大切にするための「嘘」であって、人を騙すための「嘘」ではないのでしょう。まあ、無数のごまかしの可能性も孕みながら、「嘘」の方が本当の気持ちに近いということかもしれません。

女坂 (新潮文庫)

女坂 (新潮文庫)

そんなわけで、この日記では、見た映画の話や、聴いた音楽、その他面白かったことや興味深かったことをつらつら書いていくつもりですが、同時に多くの「嘘」が含まれてもいくのでしょう。ただ、公開日記ですから、「嘘」がインチキや騙しにならないようにするのは当然です。「嘘」が真実を言うための方法でなければ、面白くもないわけです。例えば美味しくないラーメン屋を美味しかった、とか書いてはいけない。断じていけない。

ところで、この文章を書いているのは2005年の5月1日ではありません。ただ、どうせなら2005年の5月1日にはじまった風にしたかっただけです。5月2日からの開始は、変に落ち着かないものがありました。でも、明確な理由はないのです。今日が何日であるかなんて、あまり重要ではないですよね。

本日のBGMはルーク・スレーター(Luke Slater)のMix Albumで、Fear and Loathing, Vol. 2 です。ああ、気持ち良い。ヘッドフォンが必要です。そうだ、オウテカAutechre)の新譜と菊地成孔の「南米のエリザベス・テイラー」も買わないといけないのだった、と思い出しました。続けて、お風呂のお湯を出しっぱなしだったことも思い出しました。しまった。

Fear and Loathing, Vol. 2

Fear and Loathing, Vol. 2