未来日記 / 小沢健二 / Joshua Abrams

買ったはいいものの一度聴いただけで放置しているCDのなかには、聴き直すと素晴らしいものがいくつもあって、そこらあたりを刺激するためにも、この日記を書いているのですが、今朝、暇にかまけて正しい日付に日記が追いついてしまったものですから、逆に今日は追い抜くことになりました。少し貯金しておけば、抜かれることもないかも、とも思うので、未来日記で行きましょう。そんなタイトルの映画もありましたね。見そびれていますけれど。

そう言えば、小沢健二のソロ1st「犬は吠えるがキャラバンは進む」(または「dogs」)のなかに「天気読み」という名曲がありました。「感情過ぎ去ってった僕の赤いダイアリー/予言を続けている天気 君はずっと信じないけど」という印象的な歌詞が、そのままタイトルになっていましたね。この曲だけではなく、フリッパーズ・ギターが当時の<いまここ感>を前面に出しているのに対して、あやふやな未来とべたな過去の両方を素直に押し出していきたい、そんな姿勢が「犬〜」にはあるように思われ、すごく腑に落ちたと記憶しています。しかし、そうした姿勢は倫理的にも正しかったと思うのですが、同時にすごく難しい身振りだったのかもしれません。まじめに考えるほど、難しい道なのではないかと思います。というよりも、かなりの不真面目さが、むしろ同時に必要なのではないかとすら、感じます。

dogs

dogs

ああ、スティービー・ワンダーも聴きたくなってきてしまいました。でも現在のBGMはJoshua Abramsの「Busride Interview」です。Lucky Kitchenというシカゴのレーベルから発売されたアルバムとのことですが、例によって、試聴コーナーでちょっと聴いて、気に入って買ってきている物ですから、詳しいことはわかりません。水の音や人が歩く音、いろいろな生活音とかを、差し込み重ねながら展開されるエレクトロで、浮遊感、といっても完全に気持ち良くさせるのではなくて、いまにも落ちそうな(笑)、でも危うさとかでもなく、足場の悪さ的な、すかすかした感触が気持ち良いです。つまり、これもまた日常のために、買ってきた音楽だと思われます。日常って、そういうものだと思うからです。