Beck / 世界の終わりの魔法使い / The Lovin' Spoonful

Beckの新譜「Guero」を聴いています。名盤です。Beckは、やっぱり引き出しの多さ(背景/引用の多様さ)がまず気持ち良くて、それらに対しての知的な距離。冷徹な構成が更に気持ち良くて。そして歌う/演奏するという作業を通して、単に無数のバリエーション、見本市になるのではなく、ベック節として一つの歌い手に収斂されながら、構築に対して生じていくずれやゆがみも気持ち良くて。どれも名曲だけど、T6「Earthquake Weather」という曲が、今日はすごく耳に残っています。

Guero

Guero

西島大介の「世界の終わりの魔法使い」も読みました。すべて、もう終わってしまっている。そういう世界で、遊技が続き、世界の終わりが隣接しながら、世界は狭く閉ざされたままで、つまりとても「気分としての現在」の状況で、どう生きていこう(どういう可能性があるだろう)、みたいなお話しです。ある意味、教育的なのかもしれません。生き方を選ぶのも決めるのも、自分自身であるという突き放したクールさも含めて。これはこれで、よいマンガだとは思うのですが、しかし、清原なつのの描く「無惨ね」な感じやクールさが好きな私としては、実は少し距離を感じるのでした。例えば私には、SABEの「地獄組の女」の方が腑に落ちるものを感じます。「地獄組の女」は、良い意味で「エヴァンゲリオン」と並んで考えてもいいような良作だと思います。そして「最終兵器彼女」の微妙なところをすべて消し去った作品だとも感じます(「地獄組の女」の方が、確か前の作品ですけれどね)。

世界の終わりの魔法使い (九龍COMICS)

世界の終わりの魔法使い (九龍COMICS)

地獄組の女 1 (ワールドコミックススペシャル)

地獄組の女 1 (ワールドコミックススペシャル)

関係ないですが、ラヴィン・スプーンフル(The Lovin' Spoonful)の「魔法を信じるかい?(Do you believe in magic)」という曲がとても好きです。ここでは魔法=音楽ですけれど。そして「Didn't want to have to do it」という曲がもっと好きです。ひたすら後悔する歌ですね。それと、ヴェンダースも使っていた「Summer in the City」!どれも名曲です。

The Lovin' Spoonful - Greatest Hits

The Lovin' Spoonful - Greatest Hits