ブルー・レクイエム

ニコラ・ブークリエフという未知の監督が撮ったフランス映画です。現金輸送車を襲う強盗団に息子を殺された男=アルベール・デュポンテルが、次第に警備員としての日常に馴染んでいく様子が、警備会社の買収問題とか、多様な同僚の描写などから、ゆっくりと描かれていきます。アルベール・デュポンテルが渋い演技です(「アレックス」でヴァンサン・カッセルの友人役だった人…というとわかりづらいでしょうか?消火器の人、というほうがいいのかな?「ベルニー」の主演・監督の彼、という方がわかりがいいですよね)。間が抜けた雰囲気も漂わせながら、鍛えられた身体もしていて、どこかアンバランスな緊張感があり、それがラストのアクションシーンに生きていきます。自暴自棄な感じで、クリスマスの売り上げを奪うために乗り込んできた強盗団と闘う彼の、素っ気ないアクションは悪くない感触です。どこか哀川翔を思い出して、好感を抱いてしまうのでした。黒沢清の「蛇の道」「蜘蛛の瞳」の2作が、私はとても好きなのです。「復讐」シリーズ2作も、好きです。「復讐」シリーズはまだDVDになっていないのですね。残念です。

ブルー・レクイエムhttp://www.longride.jp/blue-requiem/

蛇の道 [DVD]

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蜘蛛の瞳 [DVD]

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