花が咲く / 清原なつの / 中上健次 / ホステージ

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おそらく、元のサイトの色の情報などhtmlの情報を拾ってきて、再構築し、花を咲かせるのでしょう。

以下は、書き留めなければいけないことを、書いていません。以下、このところ、読んだり見たり聞いたりして、書き留めたいと感じながら、書き留められていないことです。

中上健次「地の果て、至上の時」をやっと読み終えました。やっと、というのは、もう本当にやっとで、1年間くらい読んでいた気がします。長い中断もありました。ただ、それが必ずしも悪くはなかったと感じるのは、時々、秋幸のことを思いながら、小説の中のむせかえるような体温と共に彼のことを思ったりすることがあったからですね。愛する場所を失い、人も見失い(元から存在しなかったかのように)、殺すべき存在も見失って(自分を殺すのも、他人を殺すのも大差なくなってしまって)、それでも息だけは暑く感じられることの、気持ちよさ、というのは変な言い方ですよね。想像の中で隣り合っている感覚、でしょうか。ただ、生き生きと感じられるというのは、リアルという意味ではないのです。ただ、生き生きとして、暑く息を吐いているのです。

地の果て 至上の時 (新潮文庫)

地の果て 至上の時 (新潮文庫)

あと、清原なつのの未コミック化作品群を集めた「サボテン姫とイグアナ王子」「二十歳のバースディ・プレート」を読みました。「ロストパラダイス白書」という作品が面白かったですね。大学教授に騙されて、ある地方へフィールドワークに行かされた娘が、犯され、妊娠していなければ殺すと脅されて裸で木にぶら下げられ、生理が来ると惨殺され、気づくとそれを最初から繰り返す羽目になり…という壮絶な話を、清原なつのらしいほんわかな画風で描いています。「砂の女」の逆パターンのような話なのですが、エロティックですね。

サボテン姫とイグアナ王子 (清原なつの忘れ物BOX (1))

サボテン姫とイグアナ王子 (清原なつの忘れ物BOX (1))

二十歳(はたち)のバースディ・プレート (清原なつの忘れ物BOX (2))

二十歳(はたち)のバースディ・プレート (清原なつの忘れ物BOX (2))

あとブルース・ウィリス主演の「ホステージ」も見ました。「スズメバチ」が結構面白かったフローラン=エミリオ・シリの新作で、ハリウッドは、彼に第2のジョン・ウーを期待しているのかもしれません。子どもを人質にマフィアの会計士をしている男の家に閉じこもった凶暴犯の一人が、仲間を平然と殺したあとに、火炎瓶ですべてを焼き尽くそうと襲い来るシーンなどは、なかなかスタイリッシュで見応えがありました。ラストの、マフィアとの対決もかっこよかったですね。ただ、ジョン・ウーのような有無を言わせぬ美意識というほどでもないのですけれど。引き続き、期待です。