Bill Evans「Waltz For Debby」 / リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

BGM : Bill Evans「Waltz For Debby」

手元にあるビル・エヴァンスのアルバムはこれだけです。なんだか、おなかが急激に減ってきました。サブリミナルで、そういう効果があるということでしょうか?それとも、朝から何も食べていないせいでしょうか?ともかく、ペットボトルの水を飲むことにします。ひどくぬるいです。あと、洗濯物も干さないといけませんね。

と、いろいろ家事をやっていたら、更におなかが減ってきました。生活の中でふと聴いていたい音楽でもあります。隙間へ隙間へと、音楽を。あるいは音楽によって、豊かな隙間を。

それにしても、おなかが減りました。

ところで、現在、スーパーなどでのビニール袋に課金する法整備が進んでいると聞き、素朴な疑問として、ではペットボトルはどうなのだろう?と思い調べてみたら、どちらも同じ容器包装リサイクル法の見直しの流れの中で、審議されているようですね。

昔は、瓶を酒屋に持って行くと10円に換金してくれる仕組みがあったわけで、つまりリサイクルされていたわけです。しかし、きっとリサイクルコストがあわなくなってきて、瓶がペットボトルに取って代わられたのだと想像しています。

調べるうちに、こんなサイトに行き当たりました。

ペットボトルは可燃ゴミ同様に燃やしても問題ない、という話が面白いです。では、可燃ゴミの分類になぜならないのでしょう?一般的には不燃ゴミとして扱われていますよね?

あとリサイクルの過程を見ることが出来るのですが、同じ用途に繰り返し使える瓶に対して、ペットボトル・リサイクルが不可逆的な変化を伴うこと、それからその場合、ペットボトルの消費量とリサイクルをして作られた別商品の需要と供給のバランスがかなり大きな問題となるのですが、今ひとつ見えてこないところが気になりました。つまり一口にリサイクルといっても、瓶の単純でわかりやすいリサイクルとは、だいぶ性格が違う気がするのです。

容器包装リサイクル法の見直しのポイントは、事業者責任のようです。ペットボトルの増加によって増した環境への負荷や回収コストの増大を、企業責任で担ってもらい、結果的に商品が高くなったとしても、消費者は買わなくなるので、瓶容器に戻り、環境負荷は押さえられる、というのがロジックでしょうか?

私は、多少重たくても、瓶の容器でまったく構わない、というか、その方が罪悪感を感じないので嬉しいのですが、これに対してペットボトルを推進するサイドであろう清涼飲料のHPでは、「消費者の望む容器を供給する」とあり、また、事業者がコスト負担をしても社会は良くならないし、消費者の負担は減らないという主張が為されていました。

個人的には、多少環境に悪くても、安くて美味しいものを提供するのだから、文句を言うな、とか書いてある方が好感が持てるのですが、とはいえ、現実にはそれではまずいわけですよね。

そういえば、最近のコカコーラのCMはすごく不思議で、瓶のコーラを皆で飲んでいるのですが、今時、どこに行っても、瓶のコーラはなかなか売ってませんよね。いずれ瓶に戻る(戻らなければならない?)、ということを意識した、デモストレーションなのでしょうか?

ニルス・ミュラー監督&脚本、ショーン・ペン主演の「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」を見ました。

1974年、飛行機をハイジャックし、ホワイトハウスに突っ込むことで、ニクソンを暗殺しようとした実在のハイジャック未遂犯をショーン・ペンが演じています。

911の事件を予見するような事件である、とも言えますが、現実に復讐するにはあまりにナイーブなハイジャック犯の像は、むしろああした現実には遙かに遠いとも言えます。アメリカの内部にいながら、アメリカの資本主義になじめない、一種の異邦人である彼は、その幼い理想主義のために職を転々とし、妻に去られ、オフィス用品販売のセールスマンの職も自ら辞職し、最後の望みの国からの起業援助も受けられず、無謀な理想主義へと傾倒していきます。

ショーン・ペンの演技は、社会と上手く折り合えない人間全般に、かなり痛い感じを残すのではないかと想像します。といいますか、私は痛かったです(笑)。正しく行動しようとするほど、視野が狭くなり、別の視点で考えるしたたかさをなくしていく痛ましさを、単に愚かしさとは言いたくないのでした。それに、そもそも理想主義などは、ナイーブなものだとも思いますしね。ただ、WTCの現実とショーン・ペン演じるテロリストのナイーブさを、遠く隔たりながら重なり合うものとして考えることはおそらく大事なのだと思います。なぜならそれでも、理想はあるからです。

その意味ではショーン・ペンの「セプテンバー11」に収録されていた、素晴らしい短編も思い出されますね。確実に、繋がる部分がある、と思うのです。

セプテンバー11 [DVD]

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