U.N.K.L.E. / クロサギ

黒丸作、原案・夏原武の「クロサギ」の最新刊(6巻)を買いました。

クロサギ 6 (ヤングサンデーコミックス)

クロサギ 6 (ヤングサンデーコミックス)

子どものころ、父親が詐欺にあって破滅し一家心中をしようとする。そのただ一人の生き残りである青年が、詐欺をはたらく犯罪者(シロサギ)だけを詐欺する詐欺師(クロサギ)となって、詐欺師たちを騙しては破滅させていくという話。こう設定だけを書くと少しあり得ないような感じなのですが、大変面白く読めるのは、詐欺師たちを罠にはめるハメ方です。基本的にクロサギは、シロサギに騙される振りをするところからスタートします。そして、相手の油断や良くを逆手にとって、逆にお金をだまし取ります。と、その過程で、シロサギがどのようにして詐欺をはたらいているかが見えてくるわけですね。これが何よりも面白い。6巻では「フランチャイズ詐欺」と「旅行代理店詐欺」が紹介されています。「フランチャイズ詐欺」は、儲からないビジネスにフランチャイズ加盟させて、様々な形で金を吸い上げたあと、リスク責任は参加者側にあるとして斬り捨てる詐欺です。「旅行代理店詐欺」は、誇大広告で旅行客を誘い込んでおいて、いざ現地に行ってみるとまったく内容が違うといった詐欺で、更に発展して、旅先で旅行保険詐欺の片棒を担がされたりするケースも紹介されます。こうした様々な詐欺が、次々と紹介されます。いや、素朴に、勉強になるなぁと思い読んでしまいます。

特に「フランチャイズ詐欺」の話は面白かったのです。この詐欺は、犯罪的行為であってもうまくやれば犯罪にならない可能性があるからなんです。明らかに儲からないものを、虚偽の情報で売りつければ詐欺ですが、境界線上の商品を売りつけて、リスク説明も十分になされた上で、しかし構造上は、様々な手数料を奪われ親会社しか儲からないようになっている…などということは、世の中的にはごまんとあるのではないでしょうか。境目が曖昧になっているわけです。騙されないためには、そうした境目の曖昧さにも、鋭敏でなければならないのだと思います。

BGM : U.N.K.L.E.「Psyence Fiction」

PSYENCE FICTION

PSYENCE FICTION

はてなの解説によると「Mo' Waxのオーナー、ジェームズ・ラベル(James Lavelle)のユニット」とのことなのですけれど、DJ SHADOWも名前しか知らない私は、そういえば名前は聞いたことがある、といった程度で、何の位置づけも出来ないのでした。

変な言い方ですけれど、すっと聴けました。