Tokyo Zawinul Bach / ノロイ

BGM : Tokyo Zawinul Bach「Cool Cluster」

Cool Cluster

Cool Cluster

菊池成孔氏繋がりで、本日は東京ザヴィヌルバッハです。立春も過ぎましたし、そろそろ良いのかな、と思いまして。残暑のイメージです。好き嫌いだけで言えばDCPRGの熱さの方が好きなのですが、それは自分自身の暑苦しさに呼応している部分で、そうなのであって、激しく日焼けも(不本意ながら)してしまったこともあり、少しこのあたりでクールダウンの必要があります。

クールダウン、といっても、熱は熱でやはり必要で、芯は熱くないとね、と思うわけですけれど、とはいえ一挙手一投足はとぎすまされていたい、と思ってもまったく駄目なのですが、ともあれ、理想の身振りというのはあるわけです。美意識も高く、頭もいい人なら、こういうことでは悩まないのでしょうけれど、どうも踏み外しがちな私は、よろよろと進むしか脳がないものですから、少し熱くなったなぁと思ったら、一時停車して冷やしておかないといけない。そうでないと、簡単に人身事故を起こすわけです。

というのが、ここ最近の自分のブログを読みながらの反省なのでした。

東京ザヴィヌルバッハは残暑に近い、というのは、けっこう自分なりには納得の出来る表現です。実は熱いのです(笑)。ただ、残暑でも秋服!って感じでしょうか。第一、無防備に日焼けするような人間に、知性はないも同然です(偏見)。

1日の日記の記載が、長すぎることも良くないのでしょう。時間をかけすぎです。時間をかけて文章を書くことがよいことも多々ありますが、それに甘えすぎると、時間をかけないよりもだらしなくなってしまう。所詮は日記形式です。長い文章を書くのならば、続き物にして、もっと本腰を入れて書くべきです。短く、面白いものを書こう、と思っていたはずなのに、何かあきらめが悪い文章ばかりになっている、これはよろしくないのです。

ところで、クールダウンといえばお化け屋敷です(無理矢理です)。21日まで、新宿歌舞伎町コマ劇場前で、映画「ノロイ」公開記念のミニお化け屋敷が設置されていて、つい覗きに行ってしまいました。ほんの小さなスペースなので、大したものはでないだろうと思って入ったのですが、お化け屋敷も久しぶりだと駄目ですね、まじめに怖かったのでした。テーブルの下から青白い顔したお姉さんがこちらを睨み付けながら飛び出てきたときには、びびって思わずにっこりしてしまいました。いや、さすがに叫ぶのは恥ずかしいので、感情の方向を笑いにねじ曲げて解放したという感じです。

映画「ノロイ」も見ました。

ひとことで言えば日本の恐怖体験ビデオと「ブレアウィッチ・プロジェクト」を掛け合わせたような作品で、一種の偽ドキュメンタリー。試みとしては新しいとは思えません。しかし、とても松本まりかを中心に、実在の芸能人、アンガールズ飯島愛、ダンカンといったキャストを小出しにし、テレビの超能力番組や心霊番組を、まるで実際にそういう番組があったかのように作り上げ、それ以外にも手を変え品を変え「実話モノ」に相応しい要素を盛り込んでいく手際の良さは、なかなか気持ち良いです。それら小出しにされた要素は、部分部分としてもなかなか怖く演出されているのですが、それら様々な怪奇現象がパズルのように組み合わさって、ひとつの大きな流れを作っていく過程が、構成としてとても上手いとも思いました。「呪怨」らとの差別化を意識的に図っていると思われるのは、幽霊をほとんど出さないところです。むしろ、恐怖は、呪われておかしくなった人々や、呪いを恐れる人の狂気や自己喪失に宿っています。心霊モノなのですが、人が怖い。しかし、それも、幽霊が直接襲ってくるのとは違う、リアルな怖さがあります。近所に、実際にいそうな怖さがあるからです。それらの狂気が、幽霊の世界に繋がっていたら、と想像するのは、別種の恐怖感があります。

全編ビデオ映像で撮影したモノという前提があるので、わざと荒れた映像になっていて、それもまたリアルさになっています。ちゃちさが(わかるといえばわかるけれど)わからない分、得しているとも言えますが、それも含めて狙ってやっているので、やはり企画が的を射たと言うことでしょう。お客さんも、けっこうしっかり入ってました。

松本まりかが、本当にいる、本当にいそうなアイドル役で、可愛かったです。上手くも、下手にも、演技くさくならないという意味で、絶妙なキャスティングでもあったと思います。

ところで…恐怖実話もの映像作品というと、ひとつ忘れられない作品が…。清水崇監督の「真霊ビデオ5 ほんとにあった怖い話 恐怖心霊写真館」です。これは、心の底から怖かった。トラウマです。