選挙に行かない人は苛めよう運動 / Ibon Errazkin

BGM : Ibon Errazkin「Ibon Errazkin」

Ibon Errazkin

Ibon Errazkin

アイボン・エラスキンと読むのでしょうか?スペインのミュージシャンらしいです。amazonでは、ジャケットが出てきませんが、北斎の波の中にたたずむ中年男が雨傘を差している、可愛いジャケットなのです。曲は、のほほんとしたメロディに、エレクトロなテイストとノイズが混じって、というと、良くある話になってしまいます。しかし、こうしたリラックスと知性がちゃんと共存しつつ、ユーモラスでもある(お国柄という感じもする)音楽は、楽しいし、気持ち良いです。

下の方で、ジャケットも確認できますし、試聴も一部出来ます。

先日、番組名は忘れましたが、テレビで面白い実験をしていました。非常事態に、人はどうするかという実験です。被験者は、実験だと知らされずに、部屋でまたされています。その部屋に、非常ベルの音が聞こえてくる。それから消防車の音も聞こえてくる。そして部屋に煙も出てくる。そうしたとき、いつ人は自分のみを案じて逃げるか、という実験なのですが、面白いのは、1人より2人、2人より3人、3人より10人いる方が、例え煙が出ていようと、人は逃げるのが遅れるということです。1人の時ですら、人は自分にはまさかそんな事態は訪れないだろうという根拠のない予断があって、なかなか逃げようとしません。それが複数になると、周りの人の様子を牽制しながら、自分から行動を起こそうとはせず、周りの人も動かないから大丈夫だろうと思ってしまう。そういう心理も働いて脱出が遅れるのです。部屋に煙がかなり立ちこめても、周囲の人が動こうとしないと、自分も動けなくなる(それが自然に思える)、というのはなかなか怖いことだともいます。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という、ブラックな流行語が昔ありましたけれど、なるほど、確かに一般道ならば、たいていのところで、赤信号は皆で渡れば怖くないかもしれません。しかし、曲がりくねった山道のバイパス道ならどうでしょう?制限速度を守らずに、トラックがばんばん走る幹線道路ならば、集団で赤信号を渡ったりすると、皆轢かれて死んでしまうかもしれません。そういう危機意識をどう持つかって、素朴だけど大事なことだと思うわけです。

いや、これも、郵政民営化ほか、現在の政局のことを話しているつもりなんです(笑)。一応。痛みある構造改革、といっても、出血多量で死んでしまっては元も子もない、みたいな言い方は昔からありました。ただ、それに加えて、出血多量になりそうかどうかって、刺されている側は、特に流血が少量ずつだったり他に注意が向いていたりすると、自分ではなかなかわからないから怖いよね、という話なのです。

これまた、月並みだなぁ(笑)。自分自身の、硬直ぶりに腹が立ちます。とはいえ皆さん、選挙には行きましょう。郵政民営化賛成だろうが、反対だろうが、他に重要な政策のポイントがあるという立場だろうが、関係なく選挙には行ってほしいのです。投票率が高い国家ほど、より民主的な国家になる可能性を秘めているのは当然ですから。投票率が低い国家の国民は、政治に文句を言う資格がないと思いますしね。自分の周りで選挙に行かない人がいたら、抑圧しましょう(笑)。選挙に行かないなんて言われたら、友達やめますと即座に答えるべきです。誰に投票するか、どの党に入れるかは自由にしていただくので構いません。ただ、選挙に行かないのは駄目。その時点で、思いっきり冷たくして、ダサイ、かっこわるい、勘違いしているのじゃないの、と連呼して苛めましょう。実際、社会の中の自己、といったイメージが欠落している人間が、本当に意味でファッショナブルである可能性はかなり低いですしね。理屈上。あと、投票所に行かないという行為が、実は投票行為そのものだということも大事です。投票率が下がることで浮き上がる党、沈む党があるわけですから。選挙権を持ったとたん、否応なく無関係にはなれないことの不気味さを噛みしめないといけません。そうした不気味さを意識しなければ、自由なんて絵空事になりますしね。そんな絵空事の自由を謳歌するダサさに気づかないなんて、単に駄目ですよ。人として。