くるり「NIKKI」

生活のサイクルが変わって、ちょっと日記をさぼっておりました。映画も見ていないし、あまり書くことがないというのもありまして。それと、仕事やら何やらで、飲み会が続いているのも問題ですね。はぁ。17日からは、映画をけっこう見られるようになる(はず)。そうしたら、いくらか書くことも出てくるのだけど。

くるり「NIKKI」を聴いています。

NIKKI(初回限定盤DVD付)

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私は、人間は2つに大別できると思っていて、一方は着物の帯を引っ張ってくるくるしたことがある人(されたことがある人)、もう一方はその決定的な経験をしたことがない人です。くるりの「NIKKI」というアルバムは、つまり、そうした決定的な経験が、良くも悪くもある、という問題と向き合ったアルバムなのではないか、と思ったのでした。それは「歴史」ではなく、「歴史観」へと転換される前の「私の記憶」という問題です。記憶の中で、強い引っかかりのある何かとは、未整理で、どこか恥ずかしさのようなものとも結びつきながら、欲望と深く結びついた、瘤を形成し、やすやすとは消化できないそれと、批判的な距離を取り、しかし回避しない、ストレートに向き合う。たとえばのっぽのサリーは欲望の対象であったろうと。

岸田繁氏は、歌唱力の人だ、といつも思います。それは、声をずれとして曲の中で機能させる、声の良さが自動的にずれを内包するとかではなくて、もっと知的な作業として声とずれの問題が絶えず意識されながら、歌われている、と感じるからです。

後期のユニコーンにおける奥田民生とかを思い出しもするのですよね。音楽としての相似ではなく、音楽を作り出す作業における相似、というか。

T6「Birthday」が一番好きだなぁ。カラオケで歌いたい。でも、上手く歌えないと思います。