大掃除 / PET

映画化を切望するコミックがあるので、サンタクロースにお願いです(笑)とかいいながら、この日記も、ずっと後日に書かれています。

ペット 1 (ビッグコミックス)

ペット 1 (ビッグコミックス)

明らかに打ち切られた感のある終わり方で、読者としてはまったく納得できないのですが、三宅乱丈の「PET」は、非常に優れた作品だと思います。一種のテレパシー能力を用いて、人の記憶の改ざんや精神支配を可能にする能力者たちを描いた作品です。誰もがその精神の中にもつ「ヤマ」と呼ばれる安定した美しい場所と、つらい思いや澱みをためておく「タニ」と呼ばれる場所をいじくることで、彼らは他者の精神を操作するのですが、それは万能の力と言うよりも、自分自身があまりに感じやすく傷つきやすい、その自らの精神のバランスをどう取っていくかという危険な精神の綱渡りと裏腹なものとしてあります。あまりに感じやすい(それは能力と裏腹で、あまりに感じやすいために極度の自閉症のような症状となる)がために廃人同様だった人間を、ヤマを与えることで人間生活が営めるようにする能力者。その結果、ヤマ親となった能力者と深くつなぎ止められてしまう、そこに生まれる深い愛情が、逆に切り離されることで深い絶望と憎しみに変わり、悲劇を作り出す。そうした愛憎が、この作品の主軸となっています。

精神の世界が、変転し、美しい場所が、グロテスクな汚物だらけの場所にけがされていく、しかし、それは愛情による避けがたい衝動としての破壊であり、と同時に、取り返しのつかない致命的な失敗でもある。複雑な映像のイメージ、愛憎、美しい青年たち、面白いと思うのですけれどね。ああ、そういえば、昔「ナイトヘッド」って流行りましたね(笑)。

私としては、ヒロキはNEWSの山下智久で、林さんは是非、豊川悦司に演じていただいて、ああ、司は竹ノ内豊がいいなぁ、とか、いろいろ思うのでした(笑)。

さ、大掃除です。と、嘘を言いました。もう終わりました。でも25日に大掃除したのです。